今宵 月愛でる

関守石

2009年10月03日 07:07





「月をこそ眺めなれしか星の深きあわれを今宵知りぬる」









建礼門院右京大夫が、平家滅亡とともに寂滅した恋人


平資盛亡き後に、近江坂本で満天の星空を見上げて詠んだ歌・・・


月のない星空に哀しみの深さをスライドさせるような切ない歌です。



昨夜は激しい雨音とともに夜空は雲に覆われ月はおろか


星も見えぬ天となりました。



さて、今宵は中秋の名月。


別名は芋名月。


観月の酒肴は色々と並べるより、衣かつぎと少々の塩・・・至ってシンプル。


月を愛でながら、しみじみと秋を感じるゆとりのひと時は


日常の喧騒から一脱できる穏やかな時間にしたいもの・・・


古来より、月をもって秋とする日本人の美意識をいま一度


実践したいと思います。


野むら山荘 鳥亭

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