軍鶏鍋(しゃもなべ)

関守石

2009年06月01日 20:42



「軍鶏鍋」・・・と言うと、鬼平犯科帳を思い出す人も多いのではなかろうか・・・

ええっ、そんなん知らんで・・・って、そこのあなた!

そいつは あきませんな・・・


日本人たるもの、時代劇も見とかんと・・・。

池波正太郎ファンなら、言わずもがなであるな。


わたしなぞ、中村吉右衛門 扮する鬼平を京都南座まで

2度も観に行ってますがな・・・。 もち、ええもんでしたで。


それでは、鬼平犯科帳よりの一説

「明神の次郎吉」から・・・



「*五鉄・・三次郎は。先ず、鯉の塩焼きを出した。

鯉の洗いとか味噌煮とかいうけれども、実は、塩焼がいちばんうまい。

酒も、とっておきのを出してくれた。


・・次郎吉は、舌つづみをうち、「あんまり呑むと、

こんなうめえものが腹へ入りません。ですからすこしずつ・・・」と、

なめるように、ゆっくりと酒を呑んだ。

つぎに、軍鶏の臓物の鍋が出た。

新鮮な臓物を、初夏の頃から出まわる新牛蒡のササガキと一緒に、

出し汁で煮ながら食べる。

熱いのを、ふうふういいながら汗をぬぐいぬぐい食べるのは、夏の快味であった。」



昔は、空調設備も無く、熱源は炭火やったから

相当熱かったんでしょうな・・・

美味いもんは、ふうふう といいながら汗をぬぐい

がむしゃらに食べる・・・これぞ粋であり醍醐味ですな・・・。



時代変われば 味変わり

所変われば 品変わる・・・ではありますが


東京の軍鶏は、東京軍鶏。

野むら山荘の軍鶏は、近江軍鶏。

ということで、相性のよい牛蒡を使い軍鶏を堪能する・・・

ってところは、所変われどみな同じであります。



当店のメニューの中でも、人気沸騰中の 「軍鶏鍋」

軍鶏の持ち味を、ささがきの牛蒡と葱、ほくほくの豆腐を

これまた うま~い出し汁がしっかりと まとめ上げます。







頼りない鶏肉に、もううんざりのあなた・・・

「軍鶏鍋」 との遭遇で、目からウロコが落ちるかも・・・。



京都大原 野むら山荘 鳥亭


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