軍鶏鍋(しゃもなべ)
「軍鶏鍋」・・・と言うと、鬼平犯科帳を思い出す人も多いのではなかろうか・・・
ええっ、そんなん知らんで・・・って、そこのあなた!
そいつは あきませんな・・・
日本人たるもの、時代劇も見とかんと・・・。
池波正太郎ファンなら、言わずもがなであるな。
わたしなぞ、中村吉右衛門 扮する鬼平を京都南座まで
2度も観に行ってますがな・・・。 もち、ええもんでしたで。
それでは、鬼平犯科帳よりの一説
「明神の次郎吉」から・・・
「*五鉄・・三次郎は。先ず、鯉の塩焼きを出した。
鯉の洗いとか味噌煮とかいうけれども、実は、塩焼がいちばんうまい。
酒も、とっておきのを出してくれた。
・・次郎吉は、舌つづみをうち、「あんまり呑むと、
こんなうめえものが腹へ入りません。ですからすこしずつ・・・」と、
なめるように、ゆっくりと酒を呑んだ。
つぎに、軍鶏の臓物の鍋が出た。
新鮮な臓物を、初夏の頃から出まわる新牛蒡のササガキと一緒に、
出し汁で煮ながら食べる。
熱いのを、ふうふういいながら汗をぬぐいぬぐい食べるのは、夏の快味であった。」
昔は、空調設備も無く、熱源は炭火やったから
相当熱かったんでしょうな・・・
美味いもんは、ふうふう といいながら汗をぬぐい
がむしゃらに食べる・・・これぞ粋であり醍醐味ですな・・・。
時代変われば 味変わり
所変われば 品変わる・・・ではありますが
東京の軍鶏は、東京軍鶏。
野むら山荘の軍鶏は、近江軍鶏。
ということで、相性のよい牛蒡を使い軍鶏を堪能する・・・
ってところは、所変われどみな同じであります。
当店のメニューの中でも、人気沸騰中の 「軍鶏鍋」
軍鶏の持ち味を、ささがきの牛蒡と葱、ほくほくの豆腐を
これまた うま~い出し汁がしっかりと まとめ上げます。
頼りない鶏肉に、もううんざりのあなた・・・
「軍鶏鍋」 との遭遇で、目からウロコが落ちるかも・・・。
京都大原 野むら山荘 鳥亭
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