しゃもなべのおはなし

関守石

2009年12月21日 00:52






これはなんと読むのでしょう・・・?

中央の大きい字のことです。


「ぐんけいなべ」

「ぐんどりなべ」


などなど・・・

電話での問合せの折に、色々な読まれ方をされていることが判明しました。



正しくは、 「しゃもなべ」 なのですが

なじみの無い字なので、難しいでしょうか??


軍鶏(しゃも) とはどういうものなのか。

「鶏」 と書くので、鶏なのですが

「軍」 と書くので、並ではありません。


そのルーツはタイ国 (旧名国シャム) が原種の鶏で、いわゆる喧嘩鶏。

気性がとても荒い鶏なので、品種改良を加えて流通するようになりました。


各自治体により品種改良が異なるので、日本国においても

「軍鶏」 と名の付くブランド鶏は数多くあります。


当店で使用する軍鶏(しゃも)は、近江軍鶏です。

鶏自体が持つ味わいが半端ではありませんので

肉質や味わいを生かすべく、副菜や味付けはシンプルに限ります。


当店では、軍鶏肉(腿肉・手羽肉・鶏もつ) と

牛蒡、葱、豆腐を(季節により追加する食材もある)

和出し・醤油・味醂・酒をベースにした すっきりした割り下で

軽く煮上げお召し上がりいただきます。


火加減が強くても、お話に夢中になってお鍋をほったらかしにしても

本来のお味はご賞味いただけません。


おいしいものをおいしく食べるには、それ相応の努力が必要なのです。

でも、言うほど難しいことではありません。


お鍋の場合は、火の通りにくい物から順に入れて、ふつふつと食材が踊り始めたら

要注意! 生では駄目ですが、火を通しすぎても味が損なわれます。

いま正に生の状態から火が通り始め、素材の中心部に熱が届く頃・・・

(なんと解りやすいようで解りにくい説明だろうか・・・)

いや! この瞬間が、食べ頃だと私は確信しております。


天ぷらや串カツは、揚げたてを間髪入れずに喰らいつくのがいいし

鮨なら握りたてのほんのりあたたかみのある口どけのよいシャリがネタを引き立てる。


食べ物は結局のところ、お客様がどのように食べるかが大きなキーポイントになるのです。

おいしいものをよりおいしく・・・・・もうお話をしている場合ではありませんぞ。



野むら山荘 鳥亭

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