「土筆」
土から出てきた胞子茎は、伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており
その形状が「筆」に似ていることから「土筆」という字を当てられる
ようになったものと考えられる。
代官「おい! 逃げるでない・・・そちも、生娘ではあるまいに・・・。」
町娘「いや! やめてください!!」
代官「まだ土臭いが、やはり 張りがあって美しいのぉ~」
町娘「・・・・・ぐすっ、もうお嫁に行けないわ・・・。}
仕事人「その恨み、かわりに晴らしてやるぜ!」
代官「貴様! 何やつじゃ!」
仕事人「地獄で閻魔様が待ってるぜ・・・」
効果音「ぶぎゅ~!!」
代官「うげぇ~」
仕事人「悪い奴はもういない・・・お前さん、大丈夫かい?」
町娘「はい。 ありがとうございます。 でも、裸にされては、もうお嫁に行けません」
仕事人「そう言えば、大原に、何とかって 店があったな・・・。」
仕事人「おう! 邪魔するぜ! 実は、かくかくしかじかなんだ。」
野むら山荘「それはお気の毒だ。何とかお力になりましょう。」
町娘「私のようなものでも、嫁に行けるのでしょうか・・・。」
野むら山荘「心配することはありませんよ。美しく着飾って、変身させましょうね」
町娘「わぁ うれしい!!」
野むら山荘「早速ですが、蕗味噌の着物を着て、明日 お客様に見てもらいましょう」
仕事人「そいつはいいや。 よかったなぁ~」
町娘「ハイ! 今晩、おひたし風呂にゆっくり浸かって、いい味出します!」
ナレーション「すっかり落ち込んでいた町娘は、一晩のうちに、美しく変身して
お客様に たいそう喜ばれたそうな・・・。
これを聞いた町中の娘たちは、野むら山荘にたくさん駆け込んだそうじゃ」
「おしまい」
配役
町娘・・・・・・土筆(まだ土臭いが、すこぶるおいしいと評判の生娘)
代官・・・・・・悪代官(女好きで、廻船問屋越後屋と仲良し)
仕事人・・・・・植木職人(真面目だが、裏稼業はトクサを武器に使う闇の仕事人)
野むら山荘・・・謎の料理人(料理だけしてればいいのに、何でもやってしまう貧乏性)
野むら山荘 鳥亭 075-744-3456