日本人好み

関守石

2009年04月15日 09:15



お花見シーズンが終わった。

枝垂桜(しだれざくら)は、まだまだ見頃ではあるが

やはり、染井吉野の圧倒的な存在感と可愛らしさには敵わないように思う。


京都でも、桜のお花見で有名ないわゆる桜名所がある。

円山公園や平野神社、醍醐寺などには、ゆっくり桜を観ている場所の

ないほど大勢の人で賑わう。


それでは、なぜ人はお花見をするのだろうか。

いつもいつも花をつけていたら、いつでも観れるから・・・

ということで、場所取りまでして観ることはないだろうが

限られた期間、「限定」だから、花を観ることに集中できるのであろう。

日本人は、「限定」という言葉にとっても弱いからね。


さて、それではお花見をすることにしよう。

お花見に行っても、ベストポジションは、たやすく手に入らない。

朝からブルーシートなどの陣取り道具を持参して

ベストポジションを確保するのだ。

「おっ! 桜が綺麗だね。少し観ていくか・・・」

では、桜の可憐な姿をゆっくりと観ることすらできないであろう。


ただ、多大な労力と時間を使い確保できた貴重な?場所での

お花見も、よくよく見てみると、花を観賞している方々は

ほんの僅か・・・。

ほとんどの人は、飲食やおしゃべりに夢中で、ちょっとした宴会状態。

ところによっては、のど自慢が開催されているところもあり

ドンチャン騒ぎに発展しているグループも続出する。


そう、「お花見」とは、昼間から酒を飲み、公衆の場所で騒ぎ盛り上がれる

「水戸黄門の印籠」的な口実になるのだ。


綺麗な花の下で、缶ビールやコンビニ酒におつまみを買い求め

コミュニケーションを深められるガーデンパーティー?

不況の時代にも、ついつい財布の紐が緩む 「お花見マジック」


それじゃぁ 樹木に品種改良を加え、年中お花見祭だ!

これでは「日本人好みの限定」にならぬか・・・。



野むら山荘 鳥亭


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